相続財産から控除できる債務

相続税を計算するときは、被相続人が残した借入金などの債務を遺産総額から差し引くことができます。
相続税法では、これを債務控除と呼んでいます。債務控除の内容は、次のように債務と葬式費用に分けられます。

(1)債務
遺産総額から差し引くことができる債務は、被相続人が死亡したときに存在した債務で確実と認められるものです。借入金のほか、被相続人が死亡する前の治療費や入院費、水道光熱費や電話代なども相続開始時に未払いになっていれば債務控除の対象になります。

また、被相続人の債務には、未納の税金も含まれます。差し引くことができる税金は相続開始時に納付が確定しているものだけでなく、被相続人の死亡後に相続人などが納付したり、徴収されることになった被相続人の税金も含まれます。
たとえば、被相続人の死亡した年の所得税については、相続開始日から4ヶ月以内に相続人が準確定申告し、納付しなければいけませんが、その所得税がこれに当たります。さらに、固定資産税や住民税もそうです。固定資産税は、毎年1月1日現在に土地や家屋を所有している人に対して課税され、その納税通知は5月頃に行われます。そのため、納税通知が届く前に被相続人が死亡することもありますが、このような場合は、既に1月1日時点で納税義務は確定しているので、その年の固定資産税は全額債務控除の対象になります。

なお、被相続人が生前に購入した墓地や仏壇の未払代金など非課税財産に関する債務は、遺産総額から差し引くことはできません。

(2)葬式費用
葬式費用は、本来は相続人などが負担すべきものであり、相続開始時において被相続人の債務ではありませんが、その費用は相続財産の中から支払われることも多いことから、相続税を計算するときは遺産総額から差し引くことが認められています。

2016年05月22日